藍は人類最古の染料で、紀元前3000年頃には既に藍染の染織が行われていたと言われています。
現存する世界最古の藍染の布は、紀元前2500年~1200年頃のエジプトのミイラに使われていたものです。
世界中のさまざまな民族が藍を用いた染織を行い、各地で独自の発展を成しました。
日本では『蒅(すくも)』という藍の葉を醗酵さた染料を生み出しました。この蒅は日本独自の染料で、今では世界中の染織家から注目されています。
藍染の色づくりは2月に畑の準備をすることから始まります。
3月に種を蒔き、手入れを行い、成長した藍は6月末頃から収穫を行います。
青い成分を多く含む葉っぱの部分のみを使用するため、刈り取った藍は葉と茎の選別作業を行います。
そして葉っぱのみを天日干しにて乾燥させます。
その乾燥葉を用いて9月頃から次の工程である藍の染料“蒅(すくも)”づくりを行います。
日本の藍染の深い色合いの特徴はこの蒅(すくも)によるものです。
乾燥葉に水をかけて、空気をいれるように全体を混ぜることで、自然醗酵を促します。
水の量は匂いや温度などから醗酵の進捗具合を見極めて、藍が欲しがる分を与える必要があります。
醗酵が進むと藍の温度は70度にも上がります。
この水を与えて混ぜるという作業を合計20回(5日に1回)、約100日間かけて蒅はつくられます。
染液の作り方
染液は、
・藍から作られた染料 蒅(すくも)
・木灰に熱湯をかけた上澄み液 灰汁
・貝を焼いた灰をすり潰した 貝灰
・小麦の外皮 ふすま
などを、見た目・匂いなどを参考に、適切なタイミングで瓶に入れ、中で醗酵させて作ります。
この染液つくりは約8日〜14日程かかり、醗酵の進み具合により変動します。
藍染の色は染める時間ではなく、液に着ける回数で濃さが変わります。
SLOW FABRICでは、「1日に3回染める → 冷水で洗う → 天日干し」この作業を何日も繰り返し、藍の色を定着させています。
染め上がった生地は、「熱湯洗い → 冷水洗い → 天日干し」これを最低3回繰り返し、使うたびに色が衰退していくことがないように、可能な限り定着の弱い色を落としてから商品をお届けしています。色止め加工などはしていませんが、そのままお使いいただけます。
基本的には洗剤を使わず水での手洗いを推奨しています。
水だけではとれない過度な汚れや匂いがついた場合は、中性洗剤を用いてお洗いください。
洗濯機を用いる場合は、洗濯ネットに入れ、おしゃれ着洗いにてお洗いください。
また、藍染の特徴として時間の経過とともに布の表面に茶色いアクが現れます。こちらは水やお湯での洗いで取れますのでご安心ください。
About us
滋賀県で江戸時代から続く藍染の技法を用いた製品を制作しています。
・植物の藍から作られた染料”蒅 (すくも)”
・木の灰からとった”灰汁 (あく)”
・貝を焼いた灰”貝灰”
・麦の外皮”ふすま”
これらのみを甕の中に入れ発酵させることで作る藍の染液は、深い色合いを産み出してくれます。
SLOW FABRICの名前の由来は、
“ Low & Slow ゆっくりと時間をかけて “
” Slow (Food) 伝統的な(食)文化を見直し、(食)文化を後世につなぐ ”
これらの言葉からSLOWの文字をとりました。
ゆっくりと時間をかけてでも良いものを生み出し、それを手に取った人が藍染という伝統を知るきっかけになり、結果的に後世へ残っていく。そんな未来を夢見て活動をしています。
現在は、滋賀県内での藍の栽培にも取り組んでいますが、収穫量が少ないため徳島県産の阿波藍を使用し染色を行っています。今後は栽培面積を増やし、自分たちで育てた藍だけを使って染色を行うことを目標に取り組んでいます。
Instagram @takuindigo